明日がこなくても

ジャニーズのこと、ジェンダーのこと、いろいろ考えたことを書き残しておく場所

「非リア恋」アンケート途中経過およびアロマンティックについての補足

1.途中経過

 
先日からTwitterで拡散していただいている「非リアコのジャニオタ」に関するアンケートにご協力いただきましてありがとうございます。
こちらの予想をはるかに超えるたくさんの方にご協力いただき、10月18日23時現在3,600件近い回答を頂戴しております。
本当に本当にありがとうございます。
 
正直、こんなにたくさんの方に見ていただくことになるとは予想しておらず、
またさまざまなジェンダーセクシャリティの方にもご協力をいただくことも叶った結果、
私が用意した設問ではうまく自分を表現できない、というご意見も複数いただいております。
こちらは私の知識や配慮が行き届いていなかったり、また私の考えていた前提条件をしっかり共有できていなかったりしたためです。
せっかく貴重なお時間を頂戴してご協力いただいているのに、残念な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。
 
いただいているご意見の中で一番多いのは、アロマンティック自認のから「アロマンティックがセクシャリティの選択肢にない」「そもそもこのアンケートは恋愛感情があることを前提に作られているのでは?」というご指摘です。
実際、セクシャリティを問う質問の選択肢にアロマンティックを含めておらず、アロマンティック自認の方には違和感のある作りにしてしまっておりました。私の認識が足りておらず、申し訳ございません。
 
既に多くのご回答をいただいていることから、今から選択肢を変えることは難しいと考えておりますため、
私がなぜアロマンティックを選択肢に含めていなかったのか、アロマンティックの方が回答をするにはどうしたらいいか、ご説明させていたきたく思います。
Twitterやマシュマロでは文字数の関係でしっかりお伝えができないため、ブログという形式になりますが、ご一覧いただけますと幸いです。
 
 
 

2.マシュマロへの回答①~担当への特別な感情は恋愛感情か?


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ご回答とご意見ありがとうございます。
私も不勉強ですので、こうして議論を深められて振り返ることができるのを有難く思います。
何より、感情やセクシャリティは、些細なことがとても大切だと思います。ただ信念や生き方にも関わるトピックですので、話せばわかるものでもないのが、難しいところですが。
集計がんばります!
 
>リア恋という表現がしっくり来ないけども担当をこよなく愛するオタクの中には、そもそもの恋愛感情がよく分からないけども担当にはほかのどの人とも違う特別な感情を抱いているという人はいると思います。「恋愛感情がわかること」を特別な感情を抱くことと同義にする(そういうおつもりじゃなかったらすいません)ことには疑問を感じます。
 
この点に関して私自身のことをお話すると、私も「リア恋という表現がしっくりこない」「そもそもの恋愛感情がよく分からないけども担当にはほかのどの人とも違う特別な感情を抱いているという人」にあたります。
恋と呼べる感情が一生のうちにひとつもなかったとは言えないと思うけど、それは友人やアイドルに抱く気持ちよりもずっと自分に影響を与えなかったですし、だからといってアイドルに対する気持ちを「リアルに恋をしている」と呼ぶのは違和感があります。
 
そのうえで、自分の担当に対する気持ちは、完全に恋愛感情と切り離すことができないというか、少なくとも一般的に恋愛と呼ばれる感情に非常に近い部分も色濃いと考えています。
文学作品で言えば、アイドルや性質が近いタレントのファン感情を、宮木あや子は「婚外恋愛に似たもの」と表現し、宇佐見りんは「背骨」と表現しています。私はこの表現がわりとしっくりきています。
宮木あや子の「婚外恋愛に似たもの」という直接的な表現はもちろん、宇佐見りんの背骨に込められている「抜かれてしまったら自分を形成できなくなるような大きな存在」という意味は、恋愛にも限りなく近いニュアンスがあると思います。
また『推しが武道館に行ってくれたら死ぬ』を読んで、舞菜からえりぴよ、えりぴよから舞菜への恋愛感情が存在している「両片想いの百合漫画」と考える人も実際にいると思います。
私は担当に対する気持ちを「恋」と呼ばないことを選択しているけど、他の人から見たら/他の人の中に同じ感情があったらそれは「恋」と呼ばれるものかもしれない。
そうした可能性を感じているから、私は恋愛感情がわからないながらも、恋愛感情と担当への気持ちを完全に分離できていないかもしれない、と考えています。だから私は自分をアロマンティックに近いとは思いつつ、アロマンティックだとは断言できないのです。
こうした考えで設問を作ったので、アロマンティックという選択肢が抜けてしまい、かつ恋愛感情とファン心理がかなり近いものであるような設問になってしまいました。
 
私はこうだけど他の方は違う、と一歩踏み込んで考えられたらよかったと思います。
 
 
 

3.マシュマロへの回答②~アロマンティックの方の回答方法

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>私はアロマンティックに近いと自分では感じている(今現在は恋愛に興味がないが、いつかもしかしたら興味を持つ日が来るかもしれない)のですが、アンケートの選択肢でうまくはまる回答がなかったのでその他欄に「興味がない」等と記入してしまいました。
>そのような回答でマロ主さんの質問の意図にあっているでしょうか?
 
いただいた回答で問題ありません。
アロマンティックの選択肢がなく、お手間をおかけしまして申し訳ございません。
セクシャリティジェンダーは流動的なものでもあると考えておりますし、たとえ選択肢があってもそうだと断言は難しい、とお考えの方もいらっしゃると思いますので、回答者さまが今現在どのように自認していらっしゃるか、その他欄で正直な気持ちを表現いただければ嬉しく思います。
断言できる場合は、お手数ですがその他欄に「アロマンティック」とご記入ください。
 
また上の質問に回答した私の考えについても、ご納得いただくのが難しい部分もあるかと思いますので、その場合は率直に自由記述欄でご自身のお考えを表現していただければ幸いです。
 
このマロ主さまだけでなく、アロマンティックに関してご意見をいただいた方々へのレスになりますが、
このアンケートで最も大きな落ち度は、「恋愛感情とは何か」「性愛とは何か」の定義付を曖昧にしたまま、回答をお願いしていたことだと思います。
ただ、これには一応意図がありまして、私の定義に影響を受けない状態で、特にリア恋じゃない方に「恋愛感情」と「アイドルを好きな気持ち」の違いがどこにあるのか、ご自身のお考えを教えていただきたかったからです。
しかしながら、私が考えている恋愛感情/アイドルを好きな気持ちと、特にアロマンティックの方が考えている恋愛感情/アイドルを好きな気持ちとにズレがあり、結果設問に違和感が生じて「回答できない」という気持ちにさせてしまったと考えています。
そうした意図がある質問は、前提条件を十分に説明できないインターネットのアンケートには不向きだったと反省しております。
特に今回は、多様なジェンダーセクシャリティの方に呼び掛けておきながら、アロマンティックの方を掬いあげられる内容になっていなかったことから、より大きな失望や戸惑いを与えてしまったことと思います。
大変失礼いたしました。
 
 

4.補足~恋愛感情の定義とは

 
ここからは恋愛感情の定義とは何か、前述の内容と被るのですが、より掘り下げて書いた自己満足の文章になりますので、読まなくても結構です。
 
 
「恋愛感情」と「憧れ/尊敬」と「性愛」のカテゴリ分けは、非常に個人的な考えに基づいている、曖昧なものだと思います。
 
例えば、私は西新宿で都庁の建物を見あげると「この建物に押し潰されて窒息させられてめちゃくちゃにされたい!!!」というような興奮を得ます。(一応、こういう興奮を覚えるのは本当です)
この感情は私の中だけにあるものであり、私がどう認識するかは自由です。
これはセックスで強い快感を誘発する欲望に似ているから、私は都庁に恋愛をしていると思えば恋愛になるし、
いやいや都庁のことは権威の象徴で好きじゃないから、恋愛抜きの性欲だと思えばそう定義されますし、
いやいやいや建物相手に恋愛や性欲を感じるのはおかしいから他の感情だ、と思えば私の中ではそれが真実です。
 
例えば、私は男性がボールペンで書いている文字に、性的な興奮を抱いたことがあります。
文字自体に欲情したのか、ボールペンのインクの滑らかさから連想した何かに欲情したのか、はたまた文字を書いている男性に欲情したのか、私の脳内物質が何にどう作用して肉体がどう反応したのか、本当のことはわかりませんが、私が自分で「これに欲情したんだ」と考えたら、それは私の中で真実になります。
 
そうした私の考えとは別に、私がこうした感情を公開した場合に、他の人が「それは恋愛だ」「性愛だ」「違う種類の興奮だ」と解釈や定義をすることは避けられません。
それが私の考えとズレていることも当然起こりえますが、その判断もその人なりの価値観で行われていますので、完全に否定することは私にもできません。
恋愛や性欲はそういう個人的なものなので、ひとつひとつに良し悪しや正解があるわけではないと考えています。
 
つまり、同じ感情を抱えていても、その感情にどのようなラベルを貼るかは人それぞれだと考えていて、
ジャニーズのファンの中でも、同じ時間/お金の使い方をしていて、同じ部分に魅力を感じていて、結婚したらショックを受ける相手に対する気持ちを「リア恋」と呼ぶ人と、「リア恋」とは呼びたくない人がいるのでは、と考えています。
 
この差を探るのであればアンケートには、恋愛に対してどのようなイメージを抱いているか、という設問も必要だったかもしれませんね。
 
また「今彼氏/配偶者がいるから、リア恋ではない」とおっしゃる方も複数人いらっしゃったので、パートナーの有無は聞いてもよかったかもしれません。
あとファン活動について、やろうと思えばできる/どうしてもできないも含めて設問を作ろうと思っていたのに、抜けてました。アイランド社に所属したことがないデビュー組はフォトハンガーの販売がないですし、コロナ禍になってからハマった方や地方の方は気軽にコンサートに行くこともできないですし。
あとは「担当のここが好き」の設問は、設定がわかりづらかったなとか。
いろいろと反省しきりです。
 
アンケートは拡散のスピードが鈍ったころに締め切るつもりです。
至らない部分も多いアンケートとなっておりますが、引き続きよろしくお願いいたします。
 

レズビアンのジャニヲタがコロナ禍で病んだ結果中村海人にときめいてTravis Japanに沼落ちした話。

これはコロナ禍をうかつに過ごしたジャニヲタのひとりがTravis Japanに沼落ちした個人の記録である。
 
 
2020年4月、私は病みに病んでいた。
原因は2月末から続く謎の微熱だ。朝は平熱ないし37度ほどなのだが、夕方になると37.5度を超える日が毎日続いていた。
 
 
2019年12月から中国で新型コロナウイルスが流行している、と国内マスコミが報じ、初めて日本での感染者が報告されたのが1月下旬。
以来ニュースでは世界中であるいは日本で、じわじわと増え続ける感染者の数を淡々と報告していた。それをどこか対岸の火事のように思いつつ、私は毎週のように友達と遊び歩いていた。
2月半ばには友達と銀座で食事をし、末頃にはSnow Manのラウールくんが広告に起用されたDiorのリップを買うために、表参道のポップアップショップに出かけた。
3月中旬にはA.B.C-Zの8枚目のシングル『チートタイム』の通常盤特典「おたのしみチートメンシール」を交換しに新宿へ出かけ、Twitterで知り合った人と1時間くらい楽しく立ち話をした。
週五日満員電車に乗って都内から神奈川県にある会社に出勤しているのに、遊びだけ我慢するなんて意味がわからないと思っていた。「うちはテレワークなんて無理ですよね」と管理部の上司と先輩がひそひそ話しているのを冷めた気持ちで聞いていた。
 
直近開催の大型イベントは軒並み中止になり、不要不急の外出を避けよ、「三密」を避けよ、マスクをしろ、と政治家が声を張り上げ、薬局からはマスクやアルコール消毒液、トイレットペーパーが姿を消した。
もしかしてこれは結構大変な病気なのか、とようやくうっすらとした不安を感じ始めたのが、3月も下旬に差し掛かったこのころだ。
どちらかといえば保守的で何かと腰の重い私の会社でも、この頃毎朝夕の検温と体調報告、時差出勤の導入が始まり、新型コロナウイルスへの警戒体制を整えつつあった。
 
自分の身体の異変に気づいたのも、この時期だった。会社の指示通りに検温していると、朝は平熱なのに夕方になると37.5度ほどある。
この当時は「37.5度以上の熱が4日続いたら医療機関を受診せよ」と行政は呼びかけていた。なのでこの症状が4日以上続いたとしても受診の基準に達していないし、ならば大したことはないのだ、と思うことにした。
しかし4日以上経っても、状況は変わらない。朝は平熱、夕方は微熱。それ以外の症状は、強いて言えば鼻水が出るくらい。生理前の高温期か。ストレスか。それともウイルスをもらってしまったのか。
両親に「今日も熱下がらないよ」と冗談めかして話すたびに、「それ、何なんだろうね」と不安そうな顔をされる。
Googleの検索履歴は「女性 高温期 いつ」とか「微熱 長く続く 病気」とか「微熱 定義」とか、熱に関するワードでいっぱいになった。
Twitterでは同じように微熱が長く続く人が、保健所と病院でたらいまわしにされて検査を受けられないと綴っている。
専門家に見てもらうべきだろうか、と近所のクリニックを調べてみると、発熱外来というのが新設されており、発熱をしている人は特別に予約を取ってそこにかかるように案内をされていた。
医療現場ではマスクや防護服が足りないとか医療崩壊の危険があるとか、そんなネットで見聞きした情報が頭を過ぎり、こんな状況でもなければ普通に会社に行っているような体調なのに、そこに行くのは大袈裟すぎると思って、問い合わせをするのは諦めた。
 
4月上旬、いよいよ国内感染者数が増加の一途をたどるようになり、日本でもロックダウンの必要性がささやかれ始め、大手企業が次々と交代勤務などで出社人数を減らし始めた頃、両親は私に会社を休めと告げた。それと同時に、自室に籠るように指示をした。最初に発熱に気付いてから二三週間が経っても、まだ熱は下がっていなかった。
お前はコロナウイルスに罹患している可能性が高いから自室隔離をする、ということだ。荒唐無稽な処置だと笑い飛ばすことはできなかった。熱が出る前繁華街にさんざん出かけていたし、毎日通勤もしている。どこかでウイルスをもらっていてもおかしくはない。
それでも、自分が本当に新型コロナに感染しているかを確かめるすべはない。インターネットで海外渡航者か、渡航者との濃厚接触者でないと検査はしてもらえない、という体験談をたくさん目にしていたから、検査対象外なのはわかっている。渡航者の隔離期間である二週間もとうに過ぎている。当時明るみにされている情報によれば、コロナではない可能性のほうが高いだろうが、それでも未知のウイルスだ。万が一これがコロナの症状だとしたら、家族を危険に晒したくはない。
私は両親の要求を呑むことにした。
 
おりしも4月7日に緊急事態宣言が発表されたのを受け、会社も全面テレワークに切り替わった。いよいよ私は外界から完全に隔絶されることになった。
六畳の自室とトイレだけが私がいていい場所だった。朝起きてベッドから三歩の移動でデスクに到着、パソコンに向かって仕事をし、終われば大きな一歩でベッドに帰還し、あつまれどうぶつの森をしたりスマホでゲームをしたり本を読んだりした。
 
しばらくは楽しかった。
満員電車でストレスを感じることが多かった私にとって、通勤時間がゼロになったのはなによりも嬉しくて、精神状態は改善されたし、朝昼晩と親から差し入れられる食事も、滋養をつけるためか結構豪華で、特別感を満喫できた。
祝い事でもない限り出てこないうなぎの重箱が出てきた時には、私は明日にでも急変して死ぬと思われているのだろうか、と不安に思いはしたけど、幸い体調も微熱以外の症状がないまま、安定していたのも一因だった。
しかし軟禁状態から一週間も経つと、普段ソーシャルイベントを好まず口数も友達も少なく、長期休みは半分寝て過ごすインドア派な私も、こう長々と部屋に閉じ込められていると、さすがに気分が塞ぎ始めた。
なんでもいいから人の声が聞きたい。そんな気持ちがたまらなく溢れそうになるのを鎮めるため、私はスマホゲームをやめ、毎日ジャニーズJr.チャンネルを見ていた。
 
最初に試したのはA.B.C-Zのほうだった。
しかし最近買ったBlu-rayを見ようと部屋にあるパソコンに入れてみたら、読み込めなかった。
調べてみたら、最新のBlu-rayを読み込めるドライブがインストールされていないらしい。有料のソフトを購入するのがもっとも手っ取り早いようだったが、自分の身体も勤め先も日本経済も、今後どうなるかわからない不安のなか購入に踏み切るには少々高い値段だった。
それゆえに私はBlu-rayの再生を諦めて、別の娯楽を探すことにした。CD特典のDVD、昔の舞台のDVD、見たいものや見直したいものはたくさんあったが、次第にディスクを入れ替える作業が面倒臭くなってきた。
そこで次に目をつけたのがYouTubeだった。
 
ここで簡単に私の来歴を記す。
2006年ごろジャニーズにハマり、Ya-Ya-yah鮎川太陽くんを応援を始め、彼の退所後はA.B.Cの戸塚祥太くんに担降り。以来副担ポジションはKinKi Kidsや屋良朝幸さん、重岡大毅平野紫耀など変遷を辿りつつ、コンサートや現場に通って楽しくオタクをしていた。
メンタルを壊して仕事を休職することになったのが2017年、以来ジャニーズを追う気力もなく離れていたのが2年ほど、無事復職を果たして仕事も軌道に乗ってきた2019年9月頃、戸塚担の友達にA.B.C-Zジョイポリスのコラボに連れ出してもらったのをきっかけに、ジャニオタに戻る決意を固めた。
そんな私にとっては出戻り当時、SixTONESSnow Manがデビューしてしまうと、今残っているジャニーズJr.のほとんどが知らない子となってしまう状況だった。
しかも滝沢社長治世でインターネットに進出した新しい戦略はまるきり初めてでもある。まるきり浦島太郎状態だった。
 
2019年11月頃からようやくJr.も呑み込める心の余裕が整ったので、YouTubeも少しずつ見ていた。
ただ主に見ていたのはSnow ManSixTONES、それからHiHi Jetsだ。
Snow ManSixTONESの動画は、かつて滝沢歌舞伎A.B.C-Zと共演していたりA.B.C-Zのバックについてくれていたり、元々親しみを感じていたからだ。
特にSnow Manは増員をしていて、その人選はかなり意外ではあったけど、その意外性やキャリアの差がA.B.Cの4人と橋本くんを彷彿とさせ、私は当時しばらく橋本くんをうまく受け入れられなかった自分を思い出して、今度こそ加入メンバーを気持ちよく応援しようと思わされた。
そうしていざ見てみればなかなか面白くて、私はまんまとラウールくんのファンになった。詳細は別述します。できたら。
 
HiHi Jets井上瑞稀くんは、ABC座2013で戸塚さんの病弱な弟役を演じ、その時にふたりで歌い上げた「Shining star」の美しさが印象深く残っていて、Jr.の現場でいれば瑞稀くんを見ている時期もあったくらい、綺麗な子だと思っていた。
しばらく見ない間にずいぶんと大きくなっていたので驚きもしたけど、相変わらず綺麗な顔をしていたし、頼もしい仲間たちとのびのび楽しくやっているようで、安心した。
彼を見ると親戚のおばちゃんのような気持ちにさせられる。
 
5か月ほどかけて、この三組はあらかた見終わっていた。何か新しいものが見たい、と他のグループに目を向ける。
 
美 少年と7 MEN 侍、少年忍者は完全にはじめましてだ。この中には中村嶺亜しか知っている人がいない。
33人の少年たちを一から覚えるほどの気合が充溢していない、と先伸ばしにし続けてこのざまなのだが、今は特に生きる気力すらもないので、またの機会に、といったん選択肢から外す。
 
さて、残るTravis Japanは“いちおう”知っている。
自担が出なくなってからも、美しい人がダンスしているところを見るのが好きな私には、ダンスだけで表現される今井翼座長のPLAY ZONEという舞台が面白く、最後の年まで通っていた。振付師の名前を冠して2012年に結成され、カンパニーの中でも最年少だったのに物怖じせず、溌剌と踊っていたのは覚えている。
でも初めてJr.チャンネルのアーティスト写真を見た時、こんな顔ぶれだっただろうか、と思案した。プレゾンの時も、M.A.D.とMADE、They武道は全員顔と名前を覚えていたのに、申し訳ないことに、Travis Japanはまったくと言っていいほど覚えていなかったのだ。
私が彼らの中で覚えているのは、変わった名前の子が多いということ。11月生まれなのにノエルって名前の子、七五三なのにしめかけと読む子。このふたりは滝沢歌舞伎の口上で覚えた。それに美勇人・顕嵐と初見では読めない名前の子、宮近・拡輝・閑也と苗字や名前が今時っぽくて(※アラサー基準)かっこいい子、最年少なのに老け顔の梶山朝日*1
Love-Tuneが事務所と揉めて辞めさせられた、というニュースは離れている間にも目に入ってきて、そこで顕嵐くんや美勇人くんが退所したのは知っていた。
でも仲田くんも梶山くんも見当たらない。そう、正直に言って「あいまいに覚えているのに、より印象に残っていない子が残っている」というような状態だったので、余計にこんなメンバーだったっけ、と思わせたのだ。
しかも、代わりにSexy松にいた子が入ってる!
 
そんなこんなで、Travis Japanには少なからず興味を惹かれており、動画も先の見知らぬ3グループに比べたら見ている。
でもまだ全員の顔・名前とキャラクターを把握しきれてはいなかった。松田元太くんは長めの黒髪をひらめかせて踊るさまがセクシーだし、しゃべると明るくてエキセントリックなところが可愛いな、と思っていたくらい。
今見るならここかな、と気軽な気持ちで、Travis Japanの動画を再生し始めた。
ひとつ見終われば関連動画で出てくるものを見、それが終わればコメント欄で気になったものを見、気付けば手当たり次第に再生していた。
 
まずはとっつきやすいダンス動画。
アルプス一万尺とどんぐりころころ。童謡にこんなに格好良いダンスをつけるってすごくない?しかもメンバーが振付って。フォーメーションも振付もそれなりに複雑なのに、こんなに短時間でものにできる他のメンバー全員レベルが高い。
あとメンバーのことを嫌味なく「好き」ってはっきり言える関係、いいなあ。
ちょっとしたすれ違いで喧嘩しても、ひとつの作品を作ることは放棄せずに協力して、最後には仲直りしているのもいい。優しい世界だ。
 
Lock Lockの倍速ダンスと1/2倍速ダンス
倍速を踊りこなすのシンプルにすごくない?オリジナル曲かっこいい。
1/2倍速は映像として面白い!それにしてもみんな服がおしゃれ。脚長くてスタイルいい子がいる。脛強打したの大丈夫か。それにしても仲が良さそうだな。
 
その流れでよみうりランド
ジェットコースターからあんな小さなスケッチブックに書いてある文字を読むって、スタッフのあんまりな無茶振りを真面目にこなしていてえらい……しかも失敗したメンバーも責めずに激励したりアドバイスしたりして、雰囲気が悪くなることがない。いいな。
ジェットコースターに乗りながらメンバー同士で手を繋いでいる。もしかしなくてもめちゃくちゃ仲良しだな? 今時の若い子ってそういうのさらっとやるんだ。いいな。
 
よみうりランドで黄金の中村海人を探せ回
この中村海人くんはこういう全身タイツで公の場を闊歩することを厭わないキャラクターなの?ダンス動画では思春期の頃の菊池風磨みたいな感じかなと思ったけど、人は見た目によらないな……
メンバー同士キスしようとしたり、首にかけてる双眼鏡を別の子が覗き込んだり、それにつけても仲が良い。
センブリ茶、めちゃくちゃ苦そう……
 
ダンスしりとり回
相変わらずみんなの服がおしゃれだ。特に松田元太くんと松倉海斗くんと七五三掛くん。如恵留くんは私服でスーツを着こなしていて姿勢も良くて美しい。
吉澤閑也くんのお顔が可愛い。私の好きな魚顔。笑顔がめちゃくちゃ可愛い。
七五三掛くんはいつも穏やかににこにこしているのに、こういう勝負事になると積極的にかき乱しに行くんだな。おっとりしてそうなのに、負けず嫌いなんだ。
中村海人くん、七五三掛くんに厳しくチェックされたり宮近くんに冤罪をかけられたり、何かとかわいそう。でもみんな愛あるいじりって感じで嫌な感じはしない。ダブルシフト失敗しちゃったのかわいい。
松倉くんが真面目で自分の失敗で落ち込んじゃってるの、胸がきゅっとなる……でも如恵留くんと七五三掛くんが「許す!」とか「そんな気にするな」って言葉でフォローしてあげてて、他のメンバーも温かい雰囲気で見守ってて、優しい。
 
七五三掛龍也クイズ回
閑也くんは七五三掛くんのこと好きなんだ……確かに、アルプス一万尺の時にもそんなくだりがあったなあ。見直したらはっきり「好きです」って言っている。
周りが気持ち悪いって言っちゃっているのは微妙だけど、それでも閑也くんが負けずに(?)七五三掛くん本人にはきちんと好きと伝えているっぽいところ、いいなあ。
と思ったらその後に中村海人さんと元太くんが七五三掛くんに好きって言うくだりがあった。気持ち悪いって言っているほうがネタなのか? 相手に「好き」って言えて、それで笑い合っているのって、やっぱりいいなあと思う。ジャニーズの若手の発信から、ホモフォビアがちょっとずつでも抜けている雰囲気を感じる。
 
ギャラリーコンパクト回
「やっぱり松松かよ」を覚える。やっぱり松松かよ。仲良しの運命のシンメ。私の知っているシンメはだいたい不仲で、「アイドルをやっていなければ出会うことのなかったふたり」「背中合わせで支え合うふたり」にエモさを感じるものだったので、こんなに仲のいいふたりがシンメとして存在し、それをまわりが微笑ましく見守っている様子なのに、心を打たれた。伝言の息もあってて、本当に仲良しだ。
ひとつひとつを的確に言語化してくれる如恵留くんの真面目さと、「ズッコケ三人組」とか「わかんないけどさ、しめとしずにはもらわないでほしい」とか総評のシュールさとかでしゃべるたびに面白い宮近くんの言語感覚、好きだな。
この回の七五三掛くんは本当にふわふわしている。閑也くんと「なぁにこれ?」「え? わかんない」とくすくす小声で話していたところ、仲良しでかわいい。
中村海人くん、最初は楽しそうだったのに三回戦目のサングラスをかけた女性のイラストでちょっと責められてへそを曲げている……気分屋なんだなあ。それなのにちょっと拗ねた風の待機時間にスケッチブックに「君が好きだよ!君が好きだよ」と書いてファンサ(?)をしている。何なんだ、この子は……
 
ファンコール講座 Dance with me〜Lesson1〜回
正直に言うと、中村海人くんのようなタイプの子は苦手かもしれない、と感じ始めていた。本番中なのにいろいろと態度に出すぎでは?と……
でもこの回の青い髪とジェラピケがめちゃくちゃコケティッシュな雰囲気を醸し出して、それがいやに似合っている……悔しい……顔がいいから目が離せない……
それにしても吉澤閑也くんは優しい。中村海人くんの機嫌を取るように、あんな不安定な場所に座ってまで、いろいろフォローしている。
中村海人くんは基本的にダウナーな雰囲気のままだけど、閑也くんにはちょっかいを出したり出されたり、じゃれ合ったり、笑顔を返したり、話しかけたりしている。閑也くんには気を許しているんだな……ツンデレで気まぐれな猫か……?
閑也くんにリズムに合わせて叩かれている中村海人くんの頭、小さくて丸くていい形だ……ああやって頭叩かれても怒らないんだ……七五三掛くんとかなら怒りそうなのに……
そしていろいろ細かい驚きはありつつ、迎えた8分48秒。刮目した。
あれ?今のは何?どういうこと?中村海人くん、もしかして閑也くんの優しさに甘えてるだけなの?可愛いじゃない……
2万キロ心が動かされる音がした。手のひらを返します。中村海人くん、可愛いです。
 
ファンコール講座 Happy Groovy回
Dance with me~Lesson1~はまだ上機嫌だったと思わざるを得ないくらい、浅くソファに座って無表情ぎみで、ダウナーな中村海人くん。
そして不自然に空いた前列のスペースと、中村海人くんの側に寄り添って声をかけたりちょっかいを出したりして反応を引き出している閑也くん。いいお兄ちゃんだ。
おそらく海人を笑わせようとして、あるいは海人の分まで盛り上げようとして、大きな声を出したりおどけたりしている。……めちゃくちゃ優しくない?こういう先輩がいてくれたらめちゃくちゃHappyじゃない?
コメント欄の中村海人くんのファンの皆様のお言葉も読みつつ、声を出すところは出したり、できるだけ参加しようとしていたり、彼の頑張りも読み取る。
閑也くんが中村海人くんの肩を抱いてふたりで歌い始めたところ、閑也くんが海人くんに目を合わせてうちわを振っているところで、うっかり泣きそうになってしまう。
閑也くん、めちゃくちゃ優しい……こんな優しいお兄ちゃん、私も欲しい……
あと単純にオリジナル曲、めちゃくちゃ良くない?
 
ガチダメ出し回
素直に直してほしいところをダメ出しできて、しかも気まずくなりすぎないって、本当に仲良いんだなあ、と思う。
厚底の靴を履く七五三掛くんのあざとさがこちらの予想を超えていて怖い。こんなにきちんと”可愛い”を貫く成年アイドルってすごい。
ポップコーンはへちまの種でできているという元太くん、すごいな……どういう発想力のもとそうなるんだろう……
中村海人くん、自分が気分屋なの自覚してるんだ! やっぱり閑也くんに甘えているんだ! うわ~! 七五三掛くんに負けず劣らずあざといぞ!
松倉くんの自覚している自分の直した方がいいところ、胸が詰まる……ネガティブ思考で気にしいなんだ、というのを念頭に置いてあれこれ映像を見ていると、いろんな瞬間に傷つきが発生しているのが手に取るようにわかってしまう。どうか気にしすぎないでほしい。松倉くんは愛されているよ。
 
Right-onカップルコーデ対決回
閑也くんとペアだとわかってすぐ「うわ! バケモノきたぞ!」って言ったくせに、次のカットでは「今の閑也フェミニンじゃん? だから勝てる」って唐突に褒めだす中村海人くん、やはりツンデレだな?
中村海人くんの服のセンスがとても好きです。あとのえ松松の三つ子コーデもおしゃれ。
七五三掛くんの可愛いを貫く姿勢が大好き。宮近くんとのお写真、本当のカップルみたいで素敵だった。
 
女子メイク回
みんな可愛い。ポテンシャルが高い。
松倉くんはなんでこんなにメンバーから不評なのかわからない。肌の透明感と真っ黒なショートボブ、リップだけ色のついている雰囲気、トータルで一番好き。
この宮近くんにそっくりな女子、高校の同級生にいる。スポーティーで明るくて可愛い子だ。
如恵留くんは女子校でモテモテになるやつだ。絶対に狂信的な後輩のファンがいる。
七五三掛くんは、良くも悪くもいつものあざと可愛い七五三掛くん。
しかしなんで松田くんは真面目にやってくれなかったんだ。真面目にやったら絶対に美少女だったのに。
中村海人くんと閑也くんも、メイクとウィッグが合ってなくてもったいないかも。
 
クリスマスプレゼント交換会2018年版と2019年版
スノストのを見た時にも思ったけれど、最近の若い男の子は「可愛くて機能的ではないもの」や「美容グッズ」をメンバーへプレゼントとして贈るんだ、というのは感銘を受けた。
TV番組ガムシャラ!の企画で、2014年当時のチーム者で草津温泉に行った時、瑞稀くんが年上のメンバーに「可愛い~」と言われ「可愛くねーし!」と乱暴に答えたように、
「可愛い」というのは主にからかいの言葉で、言われた側は嬉しくない!と拗ねるものだとか、
某バラエティ番組で美顔器まで使ってきっちり肌ケアをするマリウス葉が「ええ~男の子なのに珍しいね」と物珍しい視線を向けられたように、
男は美容に力を入れるものではない、とお約束的に思われていたのが、もうすっかり変わっている。
「可愛い」とプレゼントを褒めちぎり、「それ欲しかったんだよね」と美容グッズを素直に喜び、にこやかに感謝を伝え合うメンバーの
男らしさの呪縛から彼らが少しずつ解き放たれているのを実感して、ちょっと嬉しくなった。
 
コメント欄の質問に答える回
閑也くんの「昔好きな女の子を追いかけまわしてチューしてた」という発言に「気持ち悪い」とメンバーから反応があったのに「おっ!」と思った。
こういう男の子が女の子にいたずらして遊んだという思い出話は、男子同士だと特に武勇伝にされやすい。でもそこで「俺もやったわ」とか「男の子ならやるよね」とかそういう会話の流れにならず、「ちゃんと合意のうえだった」という閑也くんに「実は向こうも嫌だったかもよ」と落としたメンバーたちのバランス感覚を好ましく感じた。
幼稚園・小学校と体験した、男子からのスカートめくりやからかい、「あなたのことが好きだからそんなことするのよ」とこちらに大人になることを強いる周りの大人たちに耐えられず、女子校に進学することを選んだ私の、昔の傷を優しく撫でてもらえたような気がした。
「幸せを感じる時は?」や「無人島に連れていくなら誰?」という質問では、閑也くんから七五三掛くんへ、如恵留くんから宮近くんへ「好き」という気持ちをストレートに伝える言葉が使われた。
男同士が仲良くてもおかしくない、男同士でもお互い助け合いながら生きていける、という脱・マスキュリンな価値観を体現してくれているようで、ますます嬉しくなった。
 
蓮とビス
最終回のコメント欄、めちゃくちゃ荒れてるじゃん!
Travis Japanのメンバーが結構あたり強くされてて、確かに松倉くんと閑也くんと中村海人くんがちょっとかわいそう。
七五三掛くんの分まで苦いジュース飲んで、カットされた部分でもさらに数杯飲んでいる疑惑のある閑也くん・松倉くん、よく頑張ったね。
中村海人くんの人狼の立ち回りが頭の回転の速い人のそれで、さすがアイディアマン。本当によく頑張りました。
 
屋内アスレティック3本勝負回
初めて飲むセンブリ茶が怖くて、すぐに口に含むことができず、他のメンバーを横目で伺う閑也くん。
「急に乙女出すじゃん」などとからかわれつつも、ようやく口に含んでみるも、すぐに口元を覆ってしまう閑也くん。
え……閑也くんかわいい……こんなにセンブリ茶苦手なのに、蓮とビスで七五三掛くんを守るために、その場を面白くするために、あんなにたくさん罰ゲームドリンク飲んだの……?
や……優しすぎない……??
 
インサイダーゲーム回
それにしても何回見てもルールが理解できない。
嘘をつくのが下手な松田くんと閑也くん、可愛すぎか?
人の良さが溢れ出してしまっている。思わず変な人に騙されないか心配になってしまう。
 
メンバーを疑わないため捕まってしまう七五三掛くん、人が良すぎてやっぱり心配になる。トラジャには人が良い子しかいないのか。
松倉くんがエキセントリックで良い。あと如恵留くんも違うベクトルにエキセントリックだ。
これが松田くんが言っていた「頭が良すぎてシンプルに馬鹿」ということなのか。
いや、頭脳派プレイが冴え渡っていたので、如恵留さんが馬鹿というのではないんですけど。
ただこちらに理解できるだけの能力がないために、如恵留くんにその罪を押し付けてしまうだけなんですけど。
松倉くんに本気ダッシュかます松田くんとか、閑也くんを捕まえられない中村海人くんが、閑也くんに捕まってしまうところとか、各々の関係性がまたうっすら垣間見えるところもたまらない。
 
リモートで中村海人松田元太お誕生日祝い両回
誕生日のお祝いにメンバーに手紙を書く企画をやると、だいたい誰かが照れてあんまり真面目に書いてこないものだと思っている。それはそれで仲良しの証なので微笑ましいし、何もこちらから見えていることがすべて真実ではないのでそれだけでどうとは言うつもりはない。
でもトラジャはみんな、ふざけている要素はあったとしても、ちゃんと日頃の感謝と本人の良いところを言葉にして伝えることができている。
それはやっぱり団結力が高まる行為だと思うし、グループとしての強みだと思う。
宮近くんの勧進帳スタイルは素直に舌を巻いた。この子は頭良いんだろうな、と思った。
そして閑也くん、中村海人くんにモーニングコールなんてしているの?自分の仕事でもないのに?
優しいがすぎない?仏様なの?
編集でカットされてしまうほど長いお手紙をしたためてただ褒めるだけじゃなくてアドバイスもしてくる閑也くん、なかなか愛が重い。
でもお互いを本当の兄弟みたいに思っているっていうの、なんだか良い。ブラザーフットってやつだ。とても良い。
松松の、お互いが出会って切磋琢磨しあう関係を「運命」だと本人たちが好意的に発信しているのも、最高に素敵だ。
年の近い男性同士が親愛の感情を示し合うことというのは、男性社会の中では特に忌避される傾向にある。男性ばかりの社会の中では、自分はホモセクシュアルではない、と主張しておかなければ、安定が崩れてしまうからだ。こうした男性社会のことをホモソーシャル、その中で生じる同性愛忌避感情のことをホモフォビアと呼ぶ。
ジャニーズという事務所もホモソーシャルの一種で、やはりこの現象はあちこちで観察されて、一昔前などはそういう話が出るとあからさまに口の横に手を置いて「ソッチですか?」とからかったり、「BLだ!」と騒いだりしていた。
でもトラジャは、閑也くんと中村海人くんに限らず、宮近くんと如恵留くんだったり、閑也くんと七五三掛くんだったり、松松だったり、そうしたホモソーシャルの中にいて、こうして「あなたのことを想っています」と口にできるふたりの関係、そしてそれをソッチ系だBLだなんだと変に弄ることなく見守っているメンバーやファンも含めて、とても素晴らしいと思う。
 
そう、私がTravis Japanを見ていて楽しく思うのは、彼らが「有害な男らしさ」を強く感じさせないことだ、としみじみ感じ始めた。
「有害な男らしさ」とは、男はこうあるべき、と古くから考えられているステレオタイプの中で、とりわけ他害の要素や男性自身を蔑ろにする要素を含む考えのことだ。
たとえば男は言葉より暴力で何かを訴えるべきだ、性欲が旺盛であるべきだ、男は泣くべきでない、などである。
こうした考え方に凝り固まった結果、凶悪犯罪や性犯罪の犯人は9割男性であったり、自殺率が高まったりしてしまう。
直近でも亀梨和也がスカートめくりを武勇伝として話して炎上した話や、日本オリジナル要素として当て書きされたであろう未満警察の覗きのシーンが炎上した話などは、すべてこの有害な男らしさに毒された結果起こったものだと感じている。
先述したように男子からの加害行為に辟易して女子校に進学し、その後も幾度となく痴漢行為やセクハラにあった経験を持ち、それにまともに取り合ってくれない男性たちに傷ついてきた私としては、そうした加害行為を勇ましく/微笑ましく語る価値観を、おそらく意図的に取り除いて、誰かを貶めることもなく穏やかな雰囲気で、仲の良さを照れることなく開陳している彼らを見ていると、安心するのだ。
 
 
このように、徐々にメンバー全員の顔と名前が一致し、キャラクターや関係性もわかってきて、だんだん木曜日が楽しみになってくる。
YouTubeの字幕を読みコメント欄を読み、Googleで「Travis Japan」を検索して、結成から今まで何があったのか、おおまかに知った。
そろそろ撮りだめ分が終わりそうだけどYouTubeの更新は止まったりしないだろうか、という一抹の不安を抱えつつ、最初の方に見た動画を見返したり、見逃していた動画を改めて見たりする。
前はわからなかったことがわかるようになって、笑える要素や楽しめる要素が増えていく。
かわいい。みんなかわいい。
動画を見ているうちにいつの間にか夜中の2時、なんていう日も増えてきた。明らかに眼精疲労が高まっており、軟禁中両親から定期的に繰り出されていた「何か必要なものはあるか」という問いに対して初めて「蒸気でほっとアイマスクがほしい」と要望を出したほどだ。
 
ゴールデンウィークに差し掛かったころ、トラジャが夢に出てくる日が数日続いた。
トラジャメンバーを家に招いて、一緒にあつ森をする夢。
何かと漢字の読み方を間違われやすい私の名前を、松田元太くんが間違えないように呼んでくれて、心ときめく夢。
中村海人さんとお付き合いをしている夢。
さすがにときめく夢、そしてお付き合いの夢はまる一日動揺が収まらないくらい驚いた。何せ自担とでもこんな夢を見たことがないくらい、リア恋とは無縁のオタク生活を送っていたのだ。
それに私はレズビアンを自認している。男性に恋情を感じたことが、生まれてこの方一度もない。
なのに、あの夢だ。これはめちゃくちゃ病んでいる。あまりにも人恋しくて、こんな年下の、男のアイドルにすらリアコしてしまっている。これはよくない。
急に恐怖を覚えた私は、いったんYouTubeを見るのをやめた。
 
しかしながら、私にはやることがたくさんあった。
5月7日、親が散歩がてらコンビニまで行ってくるといい、と言うので、出歩いたついでにトラジャが表紙のan・anを買った。
ちょうど再販されていたので、アクリルスタンドを買った。
ENTER1234567のコンサートグッズを買った。
昔のアイドル誌を引っ張り出し、Travis Japanのページと松松のページを読んだ。
ちょうどこのころ、微熱が下がらない私に業を煮やし、両親が部屋から出てもいいと許可を出した。実に二か月ぶりにリビングに向かった私は真っ先にDVDラックに手を伸ばし、PLAY ZONE2013~2015のDVDを掴み出して、部屋にとんぼ返りし、パソコンでそれらを再生した。
ぷよぷよや海人(うみんちゅ)Tシャツを着用して稽古に臨む9:1分けの中村海人さんは可愛かったし、今の可愛いキャラはどこへやら妙にきりっとした顔でヒョウ柄アディダスのTシャツを着ている七五三掛くんはちょっと怖かった。
閑也くんの緊張しいな感じと、宮近くんのシュールなギャグセンス、如恵留くんの的確な言語化能力と真面目な雰囲気は変わらないんだな、とほっこりした気持ちになった。
 
5月25日、緊急事態宣言が解除されたのをきっかけに会社にも出社することになり、孤立感は徐々に薄れていき、
ジバンシイさんの胸キュン企画動画を見てもときめくことはなく、あれは人肌恋しさゆえの一時の気の迷いであると結論付けることになり、リアコ拗らせの道は無事?断たれた。
だがしかし、出社による疲れにより、日に日に募るTravis Japanを見たいという欲求に打ち勝てず、結局私はまたYouTubeに舞い戻ることになる。
 
 
……あれ? ちょっと待って? 私、普通にトラジャハマってね?
 
 
そう、この間約二か月、私はこの事実を認めざるを得なくなっていた。
 
なんやかんや私はJr.を推すことに対してトラウマを抱えている。社長のスペオキグループの一員で推されてたはずなのに徐々に干されていき、ある時新しいユニットが発足、自担はデビューできず、宙ぶらりんのまま居場所を失って事務所を辞めるあのぞっとする体験をもう二度としたくないと思っている。
だから自担がデビューした後も担降りせずにずっと応援を続けているし、Jr.に目をつけることがあっても、明らかにこの人はデビューするだろうな、と思う人をそういうタイミングで推す(ex:重岡大毅平野紫耀、ラウール)か、逆にデビューしなくても自分の道を突き進める人(ex:屋良朝幸)だけに限っていた。
 
Jr.は今や群雄割拠の戦国時代で、何が起こるかわからない恐ろしさを抱えている。デビューしてもおかしくないグループがこんなにたくさんいる時期は、わたしが記憶している中でもそうそうないと思う。
でも、こんな時だからこそTravis Japanにはぜひ頑張ってほしい、と強く思った。
そうして覚悟を決めた私は、実に数年ぶりにジュニア情報局の名義を作り直すことになる。好きなタレントの欄は「吉澤閑也」にしました。素直に、ダンスとお顔が一番好きで、有り余る優しさと人の好さにたまにナイーブさが垣間見えるのが気になって、もっと自分に自信を持ってほしいので。
中村海人さん*2はね、今の感じでハマると本当に帰ってこれない気がするので、ちょっと、はい。すみません。
 
 
ジャニーズ、インターネットに進出してくれてありがとう。
Travis Japanの皆、狭い部屋の中で鬱屈していた私を助けてくれてありがとう。
 
かくしてサマパラ配信のトラジャメンバーのソロコンを全員分購入して、かなり充実した夏を過ごすことになるのですが、それはまた別の話とします。
そもそもなぜレズビアンなのにジャニーズが好きか、というのも別に書きたいと思います。
 
最後に、このような長文を読んでくださってありがとうございました。
 
 
 
参考までに、「有害な男らしさ」や「ホモソーシャル」についての参考文献をリストアップします。
アフィリエイトリンクではありません。
 
 

*1:梶山くんは特に印象深かったのです。当時中村海人くんに関しては本当に何の印象もありませんでした。ご本人ならびに担当の皆様、申し訳ございませんでした。

*2:ところで中村海人くんはなんてお呼びしたらよいのでしょうか。

海人くん、うみくんとかは照れちゃうんですけど、中村さんだとわからないですよね。
うみパラを見たあとだとますます下の名前だけは照れてしまうようになりました。
便宜的にフルネーム呼びにしていますが、このフルネーム呼び、さっそく拗らせの一歩を踏み出している気がしなくもありません。